本郷資吉

赤松氏の一家衆本郷氏の16世紀初頭の当主。中務少輔を名乗る。五郎の子か孫にあたる人物だろう。

永正十二年(1515)七月、上賀茂神社に同社領播磨林田庄(兵庫県姫路市）代官職の補任を願い出て許され、請文を提出して間違いなく年貢を上納することを約束している(三浦周行氏所蔵文書）。林田庄内には本郷氏の居城といわれる林田城が存在し、本郷氏にとっては重要な場所だったようだ。

その後天文十年(1541)正月には、赤松本郷氏の代理性舜なる者が上賀茂神社から林田庄代官職に任命され、「前中務少輔資吉請文」に従い年貢を上納することを約束している(賀茂別雷神社文書）。このころまでに資吉は隠居、あるいは死去し、後継者が若年だったため代理の人物が代官職を引き継いだのだろう。