赤松村虎

美作弓削庄(岡山県久米南町）を本拠とする赤松上野家の当主。永正末年まで生存していた則実の子か孫であろうが、史料不足で確実なことはわからない。通称、官途なども一切不明。実名「村虎」は、赤松義村あるいは政村の偏諱を賜ったものだろう。

天文七年(1538)以前、赤松政村（のちの晴政）は白国与次郎が村虎に忠義を尽くしたことを誉め、褒美を約束している。天文十年(1541)九月になって、村虎は白国与次郎を播磨福泊(兵庫県姫路市）の代官職に任命している(白国文書）。

白国氏が赤松上野家に仕えていたこと、福泊がこの赤松上野家の所領だったことを考えると、村虎が天文年間の赤松上野家当主だったことはまちがいない。しかし、これ以外の事績は今のところわかっていない。